表題「この薬をみたらご用心!」
認知症の早期発見・早期支援が課題とされる中、調剤薬局をはじめとする地域のコミュニティが、それら任務の担い手として位置付けられ、はや十数年が経過しました。タカノ薬局座間店の所在する座間市も神奈川県・全国動向と同様に、65歳以上の老年人口の割合が2040年付近に最大と達する見込みであり、認知症に対する啓蒙活動はより一層必要性を増している昨今です。
これら現状を踏まえ、早期発見・早期支援を実行する為に、調剤薬局ならではの認知症・あるいは予備軍の方々をすくい上げる方法とはどのような手段が効果的か?と考えたところ、「兎に角まずは薬局に立ち寄っていただく動機づくり」をコンセプトに、講演内容を組み立てました。地域の方々の「薬局=薬をもらう場所」の既存の認識から、薬をもらう以外にもさまざまな相談事をできる場所であることを、参加された方々に講演させていただきました。
講演では、まず認知症をとりまく本邦の現状と認知症についての医療者と一般の方々との見解の一致を簡単な講義形式でまとめ、本題では薬剤師へ相談するきっかけづくりとして、処方頻度が高い薬剤や、製剤的特徴から服薬の仕方次第では健康を害する可能性が高くなる薬剤を「要注意な薬剤」として挙げ、これら薬を処方されていたら一度、薬剤師に相談していただくよう呼びかけました。
講演後には、カフェ形式で参加者の方々から個別に質疑応答を行いました。日頃当薬局をご利用いただいている方もいらっしゃいましたが、普段は違う薬局をご利用されている方、ご家族様がご利用されている方など、薬局内業務では触れ合うことがない方々との情報交換ができ非常に有意義な機会となりました。
また講演と並行して、健康サポート薬局の活動の一環として、脳年齢・血管年齢を測定できるタッチパネル端末を設置し、参加された方々に触れていただきました。ゲーム形式で進行するため、レクレーション感覚で参加でき、こちらも非常にご好評をいただきました。
今回は、きっかけづくりに重点を置くため、より広いテーマのトピックを選択しましたが、狭いテーマを掘り下げる講義の必要性も感じ、継続的な活動が、認知症に対する啓蒙活動をより質の高いものに向上できるものと感じました。
タカノ薬局座間店 角田慎弥
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